漆器は名脇役|PIAGETイベントにて

ラグジュアリーウオッチ&ジュエリーで世界屈指のブランドであられる「PIAGET(ピアジェ)」さんのイベントに伺ってきました。

今回のご縁は、PIAGETさんがイベントを開催するにあたり「展示するステージに平安堂の漆器を使いたい」という、大変光栄な申し入れからのものです。

私はかねてより、漆器は様々なものを引き立てる「名脇役」を務めさせたら右に出るものはいないと思っております。

豪華絢爛な蒔絵で主役を張る漆器ももちろんございます。
ただ、主役をこなせる物はこの世に沢山あふれていますが、漆器ほど、しっかりと主役を引き立たせる「名脇役」はそう多くはありません。
深く艷やかな黒色が、しっかりと受け止め、そして主役を引き立たせてくれます。

常々、そのように考えていながらも、それを表現する機会というものはそう多くなく、今回、PIAGETさんからお話を頂いた時は、もちろん、世界有数のブランドさんに声をかけて頂いたという嬉しさもございましたが、「名脇役」を演じる機会を頂けたという喜びが大きかったです。

そのようなご縁のPIAGETさんのイベントをご紹介したいと思います。

  1. 簡単にPIAGETさんの紹介

  2. イベントの訪問記

  3. 平安堂が演じた名脇役

簡単にPIAGETさんのご紹介

ブランドに疎い私は、PIAGETさんをハイジュエリーブランドだと思っていました。
もちろん、それは間違いではないのですが、冒頭にも書きました通り、ラグジュアリーウォッチ&ジュエリーブランド。
ウォッチが先に来ます。

創業は、時計の部品やムーブメントを製作する工房としてピアジェ一家が立ち上げたとのことです。
高いクオリティが評価され、スイスの有名ブランドにムーブメントを供給するようになり、後にブランドとしてのPIAGETが設立される。
このような経緯のブランドさんでした。

日本の職人気質に通じるものを非常に感じるのですが、1957年には、僅か厚み「2ミリ」という手巻機械式のムーブメントを開発し世界を驚かせたということです。
スタッフの方にお聞きした話では、常に薄さで世界一を争っていて、今年発表したムーブメントで圧倒的な差を作ったと誇らしげに話しをしていました。
華やかなハイジュエリーのイメージでしたが、技術屋集団、職人集団の側面を垣間見れ、とても面白かったです。

ブランドの歴史は、PIAGETさんの公式HPに詳しく書かれていますのでご参考ください。

PIAGETさんのことは、門外漢の私が語ってもです。
こちらの記事、とても詳しく書かれていて面白かったですのでリンク貼っておきます。
ご参考ください。

イベント訪問

今回のイベントは、安藤忠雄氏がデザインしたプライベートレジデンスを会場にしての開催。

タイトルは「The Art of Watchmaking」
新作の時計の展示だけではなく、非常に精緻な時計パーツの展示や分解されたムーブメントの展示など、作る側の「こだわり」などにフォーカスした内容。
また、創業から現在までの代表的な時計の展示などもあり、歴史をなぞる楽しみもありました。

一部のスペースのみ撮影可でしたので、その全容を写真でお伝えすることが出来ませんが、時計のギミックをモチーフにした専用展示台に沢山のラグジュアリーウォッチが展示されています。
この展示台も、この日の為に製作したというので、ブランディングの勉強にもなります。

展示されている時計は、一般的なラインナップ(とは言え、数百万円が基本ですが)とは違い、トゥールビヨンと呼ばれる、世界最高峰の技術を使ったものや、ふんだんにダイヤモンドがあしらわれているものが中心で、数千万円クラスの時計ばかり。
まさに異次元の世界でして、私の感覚からしますと「自分に合う時計ってどれだろう?」みたいは発想にはならず、ただただ時計という形をしたアート作品を美術館で眺めている感覚でした。


(ダイヤモンドを直線的にカットし装飾に。このデザインが1番気に入りました)

平安堂が演じた名脇役

平安堂が名脇役を演じた場所は、レジデンス内に設けられている茶室「游庵」でした。
前衛的な建築物のなかに佇む茶室。
趣きある空間が、いっそう引き立つ感じがしました。


ここでは、様々な時計がパーツと共に展示されています。

今回は、平安堂の中でもかなりロングセラーとなる「隅金シリーズ」を中心にピックアップされました。
(40年くらい人気を維持しています)

金と黒、直線を組み合わせる妙味で、茶室という狭い空間を生かした美しいディスプレイでした。



来訪されていたメディアの方々の評判も良く、イベントに協力した甲斐がありましたし、何よりもお褒めの言葉は純粋に嬉しかったです。


=最後に=

今回は、縁があり、このような形で弊社の漆器がディスプレイの一部としてお使い頂けました。
「名脇役」みたいな話で進めてきましたが、このような「食器ではない漆器の使い方」を皆さまにご覧頂けることが1番の喜びでした。

漆器には、使う漆器もありますし鑑賞する漆器もございます。
今回は「引き立てる漆器」ということになります。

また、機会をみて、色々な漆器の魅力をお伝え出来ればと思っています。

最後に、このような機会を頂きましたPIAGETの皆さまに感謝申し上げます。
イベントはブランド価値を高める一つの施策だと思いますが、世界クオリティのブランディングの勉強にもなりました。
全体感として、とてもとても真似できるものではございませんが、そのエッセンスを今後の弊社ブランディングにも生かしていきたいと思います。

《今回登場した漆器はこちら》
角盆 隅金
OvernightBox 隅金
長角トレー 金箔

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ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!