ハイジュエリーと漆|OKURADO

ハイジュエリーのマニファクチャーブランド 「OKURADO」「大倉堂」をご存知でしょうか?
ブランドが立ち上がって10年(2019年11月現在)ですので、ご存じの方は、まだ少ないのかもしれません。


(赤い部分が漆塗です)

このブランド、最高の品質にこだわる百貨店「和光」さんのハイジュエリー製作を請け負っているメーカー、「アトリエ・マイエドール」が独自ブランドとして立ち上げたものです。
皇室のティアラを製作するなど、国内屈指の技術力を持つとのことで、技術力だけでみれば、世界のハイジュエリーブランドに負けない部分も多々あるそうです。

ハイジュエリーと言いますと、私のような素人だと、高級な宝石とデザインなのかなと思っていましたが、大事なことはそれだけではなく、そのデザインを具現化する為の、かなりハイレベルな技術が求められるようです。
私も一度、工房を見学させて頂きましたが、想像以上にハイテク機器をお持ちでしたし、働いている方も職人集団というオーラがみなぎっています。

10年前、OKURADOが立ち上がる際に、日本発信のハイジュエリーである以上、日本の技術、デザインを取り入れたい。
是非、漆や蒔絵を取り入れたい。
と大倉社長に依頼されたことがお付き合いのスタートでした。

平安堂も、Chopard(ショパール)とのコラボレーションに成功し、念願であった「漆を身につける」という新しい取り組みが評価された矢先での提案でしたので、また一歩、夢が近づいたと嬉しく思ったことを覚えています。

ハイジュエリーですので、販売価格は最低でも何十万円。
ベースは何百万円で、高いものは1千万円を超えてくる、私には想像できないマーケットです。

このお仕事で嬉しいことは、1つは新しいマーケットに挑戦できるという部分です。
漆器は斜陽産業ですので、新しいマーケットへのチャレンジはとても大事です。

もう1つは最高の技術をつぎ込めるということです。
ただ漆を塗るというイメージかもしれませんが、もちろん、その技術やかけることの出来るコストというものは品物によって違ってきます。
100万円を越えるような商品が基本となるハイジュエリーであれば、それに見合う最高の「塗り」を施せます。
このあたりは、語りだすと終わりがなくなってしまう私の「熱い想い」ですので、後日、改めて記事を書かせて頂きたと思っていますが・・。

ハイジュエリーというマーケットは、そもそも西欧文化のものですし、海外ブランドの方が歴史も長く、規模も大きく、高い技術力があるからと言って、そう簡単に世界レベルで戦えるものではないと思います。
そのような中、世界を見据え「漆」を1つの付加価値に選んで頂けたことは大変に光栄なことです。
また、厳しいマーケットの中で、この10年、着実に顧客を増やし、業容を拡大し、その存在感を高めている「OKURADO」の取り組みは素晴らしいものだと思います。

先日、10周年記念のパーティに参列してきました。
(まぁ、私は場違いで居心地悪かったですが。。。笑)


(10周年記念パーティで挨拶をする大倉社長)

その際、大倉社長のスピーチで、
「10年という節目を迎えましたが、これは、まだまだ続くOKURADOの歴史の、第一巻の第一章に過ぎない」と力強くおっしゃっていました。
謙虚で物静かな方ですが、内に秘めた想いは、かなり熱いものです。

平安堂も、ハイジュエリーの品質に負けない素晴らしい漆技術でサポートしたいと思いますし、漆の力で少しでもマーケットでの評価が高まって貰えるように頑張りたいと思います。


(カタログから撮影したのでいまいちな写真で申し訳ございません。OKURADOさんのInstagramで綺麗な画像をごらんください)


(カタログから撮影したのでいまいちな写真で申し訳ございません。OKURADOさんのInstagramで綺麗な画像をごらんください)


(10周年パーティでのジュエリーショー。こういうの撮影するの、ちょっと恥ずかしいんですよね。。)


(とよた真帆さんのスピーチ。今回はデザインも担当されたとのこと。美しいジュエリーでした!)

=過去の投稿=
0|プロローグ
1|めし椀のススメ
2|黒越誠治という男
3|なぜ漆器が栄えたのか?
4|ヒルサイドテラス50年の価値(1)
5|ヒルサイドテラス50年の価値(2)

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!