禁断の酒 破滅の酒|アブサン

「アブサン」(absinthe)
聞いたことございますでしょうか?

スイス発祥のリキュールでヨーロッパでは人気の高いお酒です。
かなりクセの強いお酒でして、一言で言えば
「ハマる人はハマり、苦手な人は二度と飲まない」
そんなお酒でもあります。

私も正直苦手です。
日本人には苦手な人が多いように思います。
このあたりは国民性でしょうか。

しかしお酒はその国の文化でもあります。
ヨーロッパで愛された「アブサン」には、独特のクラシックスタイルの楽しみ方があり、Heiando Barでもクラシックスタイルでお楽しみ頂くことが出来ます。
お酒を通じて、文化や歴史を楽しめますので、今回はそんなお話を少し。

  • アブサンとは
  • 発売停止となったアブサン
  • アブサンのクラシックスタイル
  • アブサンのうんちく
  • アブサンとは

    ハーブを使ったリキュールです。
    明確な原材料の定義はないようですが、基本的には「ニガヨモギ」「アニス」「ウイキョウ」などをベースにかなり多くのハーブ、スパイスを使った蒸留酒となります。
    ヨーロッパでは広く愛されているリキュールで、特にスイス、フランス、スペインなどで人気が高く、種類も豊富にあるそうです。
    薄い緑色のものが多いですが、透明のものもあります。
    基本的に度数は高めのものが多く、Heiando Barで用意しているものは55度。

    発売停止となったアブサン

    アブサンがドラマティックなお酒として広く認知されたことは、この発売禁止になったことが大きいと思います。
    アブサンの主原料である「ニガヨモギ」
    これに含まれている「ツジョン」(文献によってはツヨン)という成分が幻覚などを引き起こすということで、20世紀初頭に製造、販売が禁止されました。
    麻薬(に近い)成分が含まれているということですね。
    具体的には、フランスで1915年〜1988年と書かれていましたので、なかなか長期に渡ったようです。

    ゴッホなど多くの芸術家がアブサンで「身を滅ぼした」と言われていまして、タイトルの通り、禁断のお酒、破滅のお酒という認知が広がった部分ございます。

    現在においては、ツジョンの含有量を規制することで普通に製造、販売されています。
    また、そもそも現在の科学的には、過去のアブサンに含まれている程度のツジョンの量で幻覚は起きないとされているようで、アブサンの成分で麻薬的な効果があったことは疑問視されているようです。

    ただ、今となっては歴史的経緯は変わりません。
    多くの芸術家が愛し、幻覚が起きるとされ、長きに渡り発売が禁止されたお酒が「アブサン」です。

    アブサンの飲み方「クラシックスタイル」

    アブサンのポピュラーな飲み方「アブサンウォーター」
    使うものは「アブサン」「砂糖」「水」。

    これを混ぜれば良いだけですが、お酒はその国の文化でもあります。
    アブサンには、アブサンスプーンと呼ばれるものがございまして、これを使って作るのがクラシックスタイル。

    (こちらがアブサンスプーン)

    1|まずアブサンスプーンに角砂糖をセット

    2|角砂糖の上からアブサンを適量注ぐ

    3|角砂糖に火をつけ砂糖を溶け落とす

    4|火が消えたらアブサンに入れかき混ぜる

    (少し火種が残ってしまいこの段階でも炎が。。写真映えしていますが、ちょっと失敗です。)

    5|最後に水を注ぎ完成


    (水を注ぐと白濁色に変化するのがアブサンの特徴の1つです)

    アブサンのうんちく

    ヨーロッパでは、このアブサンスプーンは工芸品として、装飾の凝った、様々なバリエーションが存在するとのこと。
    また、更に正式なスタイルと呼ばれているもので「アブサンファウンテン」という水を入れるポットがございます。
    さすがに日本ではあまり見かけませんが、アブサン専用のウォーターポットです。
    Heiando Barでは、水をボトルから注いでいますが、この「アブサンファウンテン」を使い、1滴ずつ、もしくは非常に少量ずつ水をたらし注ぐスタイルが一番美味しいと言われています。

    まさに文化ですね。

    あと、このアブサン、非常に香りと油分が強いお酒です。
    使った器、アブサンスプーンなど、他の器を洗うスポンジと同じもので洗ってしまうと、他の器に匂いが付いてしまいます。
    バーテンダーの木村に聞いた話では、BARにはレモンやライムがありますので、その皮や成分でこすったりしているそうです。
    漫画「バーテンダー」の主人公も、修行時代にアブサンを使ったお酒のあと、しっかり洗わず次のカクテルを作り師匠にめっちゃ怒られていました。

    最後に


    度数は高めのお酒ですが、アブサンウォーターは、水割りですので度数も落ちますから、度数的には飲みやすくなります。
    冒頭に書かせて頂きましたとおり、アブサンは、明確に「好きか嫌いか」が分かれるお酒です。
    私は、クセのあるウイスキーを好んで飲んでいますが、アブサンは正直、苦手なお酒です。
    「アニス系」と呼ばれるリキュール(アブサンもこの仲間です)の生産量は凄いのですが、私は全体的に苦手です。

    世界的に愛されているリキュールが万人に受けるテイストではないということも面白いですね。
    芸術家を初め、熱狂的なファンを持つアニス系の代表「アブサン」
    一度、お試しください!

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    (大手酒問屋さんの通販サイトにリンクしています)
    アブサント55
    アブサン一覧

    Heiando Bar ( He&Bar )
    漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
    港区六本木4-10-5-2F
    六本木交差点より徒歩1分
    03-6804-6388
    お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
    営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!